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新譜「On the Sammy Side of the Street」を考える.1                 1930年の名曲「On the Sanny Side of the Street」

ネスティコ氏の新譜「On the Sammy Side of the Street」では、
全14曲中、9曲のアレンジ、5曲のオリジナルを録音している。

新譜を考えるシリーズの初回は「On the Sanny Side of the Street」
を取り上げる。

アルバムタイトルを見て分かるがタイトルが、趣のあるシャレである。
ネスティコ氏はいつも非常に明るいジョーク好きのアメリカ人である。
今回のアルバムには特にアメリカ人特有のジョークと遊びが隠されている。


"On the Sunny Side of the Street"
 (Ted Lewis, 1930)
「On the Sanny Side of the Street」は1930年ブロードウェー・ミュージカル
「 International Revue」 のために書かれた。
タイトルは「明るい表通りで」となる事が多いが、正確には
「陽のあたる道で」の方が正確である。

歌詞は「お金持ちになれないけれど、表通りを歩いていれば幸せさ」という
簡単なものだが、1930年を考えて見ると、アメリカではニューヨーク、ウォール街
で起きた株の大暴落により有名な世界大恐慌が始まる年である。

のんびりした歌詞と明るいメロディとは裏腹の暗い世相なのである。

この曲のアレンジの元になっているのは、トミードーシー楽団のものである。
スタイルは氏が得意のバンド全体が豪快にスイングするベイシースタイルである。
しかし洗練されたハーモニーの使い方はまさにネスティコ流である。

聞いてみて耳を弾くのはイントロのピッコロ。 最近の氏のアレンジには
木管楽器が多く使われ、こだわりが強い。
ソロはトロンボーン~アルトサックス~テナー~ギター~ピアノと続く。
特に素晴らしいのは、アルトサックスのダン・ヒギンズ。
こういうリードとソロを撮れるのはネスティコ氏曰く彼だけとの事である。

今回変わった2種類の動画をのせてみる。
暗い世相と反対のほのぼのとした明るい曲調が何とも不思議である。

振り返ってみると、2012年の閉塞的な世相と1930年がそっくりなのは
気のせいか。


Rod Stewart 
On theSunny Side Of The Street         

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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

新譜「On the Sammy Side of the Street」を考える.2               1965年映画音楽の名曲「The Shadow of Your Smile」

サミーネスティコの新譜を考えるシリーズ、第2回目は
映画音楽として名高い「The Shadow of Your Smile」を考える。

邦題は「いそしぎ」。
曲は数限りなく聞いた覚えはあるが、よく考えると「いそしぎ」?
何のこと?と思い調べてみると、カモメに近い海鳥の事。

映画はエリザベス・テイラーとリチャード・バートン美男美女主演の
男女の出逢いと別れの物語である。
作詞ポール・フランシス・ウェブスター、作曲はジョニー・マンデル

「The shadow of your smile 」
Barbra Streisand & Johnny Mathis
ジョニー・マンデルは元々トランペット奏者で、カウントベイシー楽団でも
演奏した。(知らなかった)
映画音楽を数々作っているが、この「いそしぎ」が何といっても有名である。
この映画のサントラ版はクインシー・ジョーンズがプロデュースをしている。
(これも知らなかった)

ネスティコ氏はこの名曲を全編アルトサックスのダンヒギンズをフィーチャー
している。 ネスティコ氏はこのソロを聴き泣いたと言うが、本当に心のある
ソロをとる人だ。 
著作権の関係で音源はのせられないが、是非CDを聞いて頂きたい。

ネスティコ氏自身も一番良い音楽テイクと言っているのがこの
トニーベネットが歌ったものである。

Tony Bennett 
「The Shadow of Your Smile」 (1966)
アレンジはアルトサックスをフィーチャーし、3本のフルートバスクラリネット

ミュート奏法のTP.TBで独創的なサウンドを作り上げている。

後半ここぞと言う時に、フルパワーの泣きのブラスサウンドが鳴る。
本当にネスティコ氏は盛り上げ方を熟知している。

参加したミュージシャン誰もが、ネスティコ氏はまだ進化しているといい
「次回も是非参加させてくれ」と全員から懇願されたらしい。

2012年の現代にこんなサウンドを作れる人がいる事を嬉しく思う。


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新譜「On the Sammy Side of the Street」を考える。

昨年12月に発売された新譜「On the Sammy Side of the Street」
についてふれてみたい。
Writing 3

この新譜、一口で言うとアメリカンエッセンスふんだんのアルバム
と言える。 ネスティコ氏曰く20年代から50年代のアメリカである。
この時代は良くも悪くもアメリカが輝いていた時代。

当然、ジャズは猛烈なスピードで進化を続けていた時代で
彼自身が書いたライナーノートにその事がふれてある。
以下ライナーノートの訳である。

              『音楽について』
これ迄の私のCD は、主にオリジナル曲に加え数曲のスタンダード曲から
なっています。今回のCD制作に当たり、昔からのスタンダード曲をハーモニー
で装いを新たにしてみても面白いかなと考えました。「Bye Bye Blues」
「On the Sanny Side of the Street」「Rose Room」等はそのシンプル
さゆえに光るものがあり、私が大変好ましく思うものですが、
あなた方現代の若者にはなじみのないものと思うので、是非聴いて知って欲しいのです。

これらの曲のシンプルな優雅さは、メロディ、ハーモニーと向き合う
のに好都合で、単なるリズムの繰り返しや、形のないイメージとは異なるものです。

私に取ってメロディは常に”王様”の様に最も大切にしてきた要素です。
録音に際して、スタジオで初見の13曲(70分)をわずか10時間で仕上げた
オーケストラの技量に感嘆せずにはいられません。このキラ星の様なミュージシャン
の一人一人の秀逸な才能と、その場に臨んだ私の望外の喜びは必ず聴き手に伝わる
ことと思います。

幼い頃より聞き育った曲を、敬愛するミュージシャンに囲まれ録音したこのCDは、
いわば私にとってのビックバンドのルーツを描く一枚の絵の様なものです。
                             サミーネスティコ


この赤字の部分である。
ここはネスティコ氏の若者への遺言と言うべきところで、氏がどれほど
メロディーを大切にしてきたかが垣間見られる。


今年のジャズマンスイン旭川2012で再び「サミーネスティコ」
を取り上げるにあたり新譜の曲を次回から少しずつ解説してみたい。

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